シンプルで力強い空冷2気筒メガエンジン。シートに跨り右手でアクセルを捻り、車体が走り出した瞬間に、まるで空間をテレポーション移動するかの如く不思議な気持ちよさに襲われました。それはありがちなハイスピード領域とは全く違った強い中低速域特有の凄まじいまでの強い引力が存在していたのです。 story124036@yahoo.co.jp
2020年1月25日土曜日
需要と供給の相対的なバランス!価値あるモノとは何か?猿のお値段!
「モンキービジネス」
ある山間の村に実業家然としたボスと
その使用人がやってきた。
村奥にある山にはサルがたくさんいる。
ボスは村人を集めると言った。
サルを生け捕ってくれば一匹10ドルで買い上げる。
村人たちは、こりゃあいい話だ、と思った。
翌日たくさんの檻を積んだトラックが
その村にやってきて、
使用人はその檻を広場に積み上げたから、
村人たちはこりゃあホントの話だと信用して
さっそくサル狩のために山に入った。
生け捕られたサルがどんどん村の広場に運ばれ、
ボスと使用人はサルを運んできた村人に約束どおり
一匹あたり10ドルを払った。
こうしてしばらくその村はサル景気に沸いた。
しかしサル人口は無限でないから、
だんだんと収穫が減ってきた。
中にはもっと遠くの山へ逃げ出したサルもいるにちがいない。
サルの生け捕り成果が
ほそぼそとしたものになってきたのを見たボスは
また村人を集めて言った。
「サルはもういないのか?まだいるだろうが・・・。
よし今日から一匹20ドルにするから、
もっと真剣にサルを集めてくるように。」
その言葉に力付けられて村人たちは
山の隅から隅までサルを探し、
中にはもっと奥の山まで遠征する村人も出た。
ボスと使用人はまたまたサルを生け捕ってきた村人に
約束どおり一匹20ドルを支払った。
こうしてまたしばらくは村のサル景気が
規模を縮小しながらも続いたが、
収穫切れは前回よりもっと早くやってきた。
二三日成果がゼロという日が続いたから、
ボスはまた村人を集めて言った。
「ほんとうにサルを全部捕まえたのか?
まだ探していない場所は本当にないのか?
一匹50ドルに値上げするから、
ありったけのサルを集めるように。
ところで町に戻る用事ができたから、
わしはしばらく村を離れる。
だが心配はいらん。
わしがいない間でも、サルを捕まえてくれば
使用人が一匹あたり50ドルを払うから。」
そうは言われても、
近隣の山の状況を熟知している村人たちは、
もう本当にサルが一匹もいなくなったことを周知していた。
さあ、どうするべえ、としわを寄せた額を集めて相談するが、
なかなかよい知恵は出てこない。
そんな村人たちの様子を見ていた使用人が
主だった村人数人を集めて耳打ちした。
「あんたたちが集めたサルは
たくさん檻の中に入っている。
どうだいオレがあんたたちに
一匹30ドルでそのサルを売ってあげようじゃないか。
あんたたちはオレから買ったサルを
ボスに50ドルで売ればいい。
ボスは約束を守る男だから、
決して損することはないよ。
オレももうあのボスとはこれでサヨナラだな。」
村人たちはこのいい話に飛び乗った。
なけなしの金をはたいて自分たちが生け捕ったサルを買う。
借金してまで金を作って持ってきた。
こうしてこれまで集めたサルは一匹残らず
村人が買ったから、使用人はその金を手にして村を去った。
村人たちはボスが町から、
今日戻るか明日は戻るか、
とクビを長くして待ったが、
いつまでたってもボスは村に戻ってこなかった。
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